髭の思い出~髭を憎んだあの頃~

髭に苛まされたあの日々

小学校・中学校という普通は髭なんて生えない時期に髭が生えてくると本当につらい。

 

髭のせいで一体どれほど人格に影響があっただろうか。

髭がもし人並みでようやく高校生の3年生くらいに濃くなってきたなあ、と感じくらいであれば、どれほどよかっただろうか。

 

当時の自分には髭をどうにかする手段はまったくなかった。

一時期は鼻下に手を当てるのが癖になっていたこともあった。

髭を隠すためである。

 

そうなると、満足にクラスメイトとも話せない。

 

小学校3、4年のころくらいまでは家に何人も友達を呼んで大勢で遊ぶのが好きだったし、昼休みもサッカーで遊ぶような子供だった。

 

なにせしし座のO型である。

まあこれはあくまで傾向を言っているだけで本気で信じているわけではないが、リーダーシップがあり正義感の強い性格が多いらしい。

 

それが、髭が濃くなってきてからは、友達と遊ばなくなった。

目を見て話をすることもなくなった。

とにかく人目を避けてなるべく人との関わりを断つように生きるようになっていた。

それが中学生の時である。

 

心の中では、常に「こちらからは絶対に話しかけないし関わらないから、こちらにも関わらないでくれ一切話しかけないでくれ」と思いながら、日々を過ごしていたのである。

 

たかが髭で?

そう、たかが髭で、である。

 

大人にとって髭は当たり前でも、子供にとって髭は当たり前ではない。髭が濃いことで一体何度嘲笑され非難を受けただろうか。

もはや思い出したくもない。

 

髭のせいで不安になった精神状態は、結局大学生時代まで続き、まともな人間関係を築く障害になったどころか、いつのまにか社会不適合者扱いされるところまで堕ちに堕ちていた。

 

もう時間は決して取り戻せないのだ。

今髭のない状態で中学からやり直せるボタンがあったとしても、私は決して押さないだろう。

 

なぜなら、変えたいのは過去ではなく未来だからである。

今の精神状態のまま戻れるのならまだしも、あの頃を(髭が濃くないのだとしても)繰り返したくない。

 

結局、罪人を許すことになりそうだからである。

罪人。

それはもちろん、髭を馬鹿にしたクラスメイトたちのことである。

いつか必ず復讐する。

 

 

ちなみに、現在はヒゲ脱毛をしている。

もう過去に興味はない。

未来だけが重要なのだ。